東京都美術館で開催していた「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行ってきました。
2018年のフェルメール展には残念ながら行くことができなかったので、今回が初のフェルメール展です。
余談ですが、最近当たり前になってきた事前日時指定チケットの始まりはフェルメール展だったように思います。
お目当てはもちろん修復された《窓辺で手紙を読む女》ですが、実はキューピッドの絵がない方が個人的には好みです。
壁はたくさんものを飾ったり貼ったりせず、余白がある方が落ち着くと考えているからかもしれません。
本物の絵に人だかりができているのを横目に、壁が塗りつぶされた状態の複製画をじっくりと鑑賞しました。
当然ですが、修復前と修復後は絵の印象が全く変わりますね。
修復前は、手紙を読んでいる女性が中心で、絵の中に静かな時間が流れているように感じます。
修復後は、キューピッドの巨大な絵画が画面全体をドミナントしています。
キューピッドの絵がなければ、手紙の内容を、恋文に限らず自由に想像することができます。
そういった想像の余地があることも、修復前の絵が好きな要素の一つなのかもしれません。
東京都美術館では、7月からボストン美術館展が開催されるので再訪する予定です。